春彼岸の入り

昨日の暖かさにより、しだれ桜が開花いたしました。
まだ全部で10輪にも満たないのですが、このまま暖かい日が続けば満開の日も近いことでしょう。

 

さて、本日は春彼岸の入りですが、お彼岸について少々お話したいと思います。

お彼岸とはインドの古語であるサンスクリット語のパーラミーターを漢訳し、最高のところに到達するという意味で、中国でこれを「彼岸に到る」と訳し、こちらの岸(此岸)からあちらがわの理想の岸(彼岸、つまりほとけの世界)にわたろうと呼びかけたのです。この仏教の目標が日本ではご先祖さまのお墓参りと融合して春と秋のお彼岸になったのでしょう。

仏教はあらゆる国に存在しますが、お彼岸の文化は日本だけだと言われております。
それは、日本人が古来よりご先祖様を慈しみ、大切にしてきたということだと思います。

春彼岸は春分の日を中日とし前後3日間を合わせた7日間です。
中日にあたる春分の日は「自然をたたえ生物をいつくしむ」とあり、自然の恵みや豊作をご先祖様に感謝し、六波羅密を行う期間とされています。

 

お彼岸の期間は家族でお墓参りに行きましょう。
墓石の掃除をし、新しいお花とお線香をお供えし、仏様に感謝をすると共に、ご自分の出来事などをご報告してください。

お墓参りが難しい方はお仏壇をお掃除し、お位牌に向かって手を合わせましょう。

お墓参りの際の食べ物や飲み物のお供物はその場で召し上がるか、持ち帰りましょう。
日本は同食信仰という習慣があり、ご先祖様と分かち合うという理念からくる行いになります。
また、お墓や仏壇にお供えした食べ物や飲み物などのお供物を食べることも供養の一つとされていて、縁起がいいとも言われています。

日本人がこの世界にほこるべき美しい風習をいつまでも大切にしていきたいですね。